「あなたのために」選び抜かれた服が並ぶ

あまみや

(取材:まりっぺ)

気さくなご主人と奥さん。ご主人のセンスにリピーターが集まってきているそう。

「ヌメッ」とした生地!?
「ちょっとこの生地を触ってみて。『ヌメッ』としているでしょう。これがいい糸で出来た生地。パサパサした生地は毛玉になるの」。
 店主の巖(いわお)さんが差し出した赤いセーターは、確かにどこかしっとりとした触り心地がした。頬ずりしたくなるほど柔らかい。

 東高円寺・和田商店街にある「あまみや」は、一見よく見かける「商店街の婦人服店」。だが、そのこだわりに驚かされた。


毛糸屋から婦人服店へ
 60年前の創業時は毛糸屋さん。時代とともに婦人服中心になっていった。
「昔、女の人はみんな自分で服を作っていた。でも安くて見た目も既製品が出回るようになってから、そっちを買うようになってきたの」。
 昔の人は素材の良さで洋服を選んだが、今の人はデザインで選ぶ。ブランド服のデザインを真似た安い中国製品が氾濫し、品質の良いものを探すのが大変になった。
「でも昔の人は『いいもの』を知っている。だから手は抜けないわ」と奥さんの典子さんは言う。デザインも今風で、それでいて生産国や縫い目までも細かく見て洋服を仕入れている。

左が従来の洋服の縫い目。右が仕立てのよい洋服の縫い目。仕立ての良いものは縫い代がしっかり取ってある。


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熱心に洋服へのこだわりを説明してくれる奥さん。

お客さんが商品のアクリル毛糸で編んでくれたふくろう。店頭商品の雨よけカバーもお客さん作だ。

「あの人が着てくれるかな」
 お客さんの7~8割がリピーター。それだけに手は抜けない。取材中も「こんにちは!」となじみのマダムが2人、お店に入って来た。「問屋街で洋服を仕入れるときは『あの人が着てくれるかな』と思い巡らせながら選ぶのよ。ウエストや胸回りのサイズも測るの」。まさにお客さんの目線での商売だ。試着すると「私にぴったり!」となるわけだ。このサービスは嬉しい。

「『来てよかった!』って思ってもらいたい。『ステキな服があった』でも『安く買い物できた』『楽しくおしゃべりできた』でもいい。満足して帰ってもらいたいんだ」と巌さん。
お客さんに寄り添う仕事ぶりを取材して、冬の日にほっこりと気持ちが温まった。

 

 

(2012.3.8取材)

 

 


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